佐々木 正美先生をお招きし、子育て講座を開催します ~どなたもご聴講無料です。~

平成24年3月3日(土)の午後1時半より 子育て講座を開催します。場所は仮設園舎オープンスペースです。発達障害に関する研究書籍や、育児書でも日本中にファンは多いかと思いますが、児童精神科医の「佐々木 正美先生」をお招きする予定です。

先生は「子どもへのまなざし」シリーズや「育てたように子は育つ(相田みつを氏との共書)」という著書で、大切な子育ての最も重要と思われるヒントをふんだんにお伝えして下さっております。

また、コミュニケーション障害の子どもへの良い療育方法を日本にいち早く実践的にご紹介して下さっています。そのため先生のお話は、子育て中のご家庭の皆様、障がい児・者療育研究者、保育関係者等、を中心に大変興味のある内容になるかと思います。

会場になる仮設園舎は工夫して使っておりますが、なにぶん小スペースな環境であるため、講演場所としては十分ではないかもしれませんが、しっかりと会場設営しておりますので、地域の方々、ご興味のある方はお電話でお問い合わせください。

TEL 042-759-3551  
(ふちのべほいくえん地域子育て支援センターつくしんぼ担当まで)
講演テーマ
―「育てたように子は育つ」―



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発達障害児の保育における工夫こそ保育の原理

あけましておめでとうございます。
年明けに市の「統合保育実践報告会」がありますので、渕野辺の考える統合保育を未来像も含め少しまとめてみました。

当園は1973年から国の障害児保育指定保育所として「統合保育」を行ってきました。わが子を預けたい障害児の母親が何か所も何か所もまわっても「受け入れ場所」がない現実があり、「ここで受け入れてあげなければならない」と創業者が決断したところから端を発しています。

発達障害児一人ひとりはまさに千差ほど、万差ほどの違いがあって、ある分類に無理やりあてはめることなど
できるものではありません。
現在も父母の方々から教わったり、園での生活から見えた新しい子どもの姿から「混乱しない、とまどいを除去してあげる」方法を集団保育の中でも発見し、その見えない実験を何度も何度も何度も繰り返し行っていく、そんなイメージだと思います。もちろん、また間違えて違うアプローチに切り替え、、、。新しい知見を見出す。

また、指定保育所には「臨床心理士」が着任しており、発達検査の検査結果からだけではなく、以前に培ってきたスキルを保育園という場で活かし、客観的に子どもの「いまの姿」を評価し、保育者にアドバイス、コンサルティングを行い、日々の保育に活かしていくことになります。
いま渕野辺でイメージしているこの「セラピスト」職は「ABAセラピスト」という形で白百合女子大学名誉教授繁多氏に紹介をしていただいております。

もちろん保育者が日々の生活では中心になることは変わりません。保育園で療育理論を具体的に進めるには環境的に未整備な面もありますが、「環境を障害児に合わせてあげる」という工夫は日々の生活でたくさん見つかります。

また、個別支援計画にもリンクをして、行っていきます。なぜ、保育所にそこまでの機能が求められるのかといえば、現在の療育施設の受け入れ機能がいっぱいであるからでもあります。また、療育施設が小世界で集中的に療育を行っている場だとすれば「社会生活との関わり」を保障してあげるのが「集団生活の場」となり、ここなくして本当のインテグレーションを作れないわけです。

ゆくてはるかな地平線の彼方に障害を持つ子どもの保育を通して人間世界の理解がある」

~著書「保育者の地平」より~  お茶の水女子大学名誉教授 津守 真


当園で統合保育を行っていくとき常に考えるのは、上記の津守 真氏の言葉です。

当園では以前より「発達障害児のお子さんの保育」を大切に捉えてきました。保育士職もそこで揉まれ、障害児保育の中での工夫こそ、非障害児の子どもへの「子ども理解」にも結びつき(発達の道、時間の違いはあれ、障害児も発達のプロセスは同じなため)、それこそが「保育の原理」そのものだと考えてきました。

例えば、Bちゃんという発達障害児の子どもが入園してきても、他の新入園児と同じく、最初は特定の保育者との関係からスタートし、全面的受容(こどもとのであい)→共快感(ふざけ・じゃれあい)→理解(ラポール)→行動の予測→要求の交換(表出から表現・心のゆさぶり)→自然的課題(保育士とともに自然に課題に没入する)→意図的な課題(意図したクラスの活動へしっかりと没頭する。)等のプロセスを辿りますが、子どもの成長は行きつ、戻りつ、進むことやBちゃんなりの表出、表現を学び、大切なことをBちゃんの保育にあたることで、何通りにも捉え直さなければ対応できないことを学びます。
また、Aくんが執拗に執着するモノや場所へのこだわりから、「意味の島」を発見し、保育者がもう一工夫し、さらに発展させ「好みの島」をたくさん作ってあげることで、Aくんがそこに行けば落ち着いて、一定時間後は集団生活の中に戻って来られたり、言語表現のない子どもでも「インリアル・アプローチ」理解によって、表現、思いを受け止める力量が育ったり、現在地Aから目的地Cに行くために、近道Bでなく、Dであれば心穏やかに目的地Cに辿りつけるならば、それを認めるルートを考えること、行動を分析することなど、Aくんとの関わりの中で一人の保育士は、豊富な幅と思考を備えることになります。  
障害児の子どもの療育は、医師、心理職、ST、PT、OT等がチームを組む、「療育、治療」が「正面玄関」になるかもしれませんが、私達、保育園には別のアプローチがあります。それはまさに「集団の力」を活用したもので、トレランス(寛容力)を育て、「全面発達」をする場です。保育園が最も力を入れて取り組むことが、この場を用いた「統合保育」になるのですが、じつは、子どもの最大の発達の起爆剤は個別のテクニックや技術やスキルではなく、上記の「全面発達」を助ける「意欲」であり「統合保育」であると自負しているのです。


また、いうまでもなく保育園が行う障害児保育は「非障害児」にも大変、大きな影響を与えます。仲間への優しさ、力を合わせて取り組むことの「本当の奥行き」が生まれます。保育園時代にすでに「福祉的な心を育む芽を培う端緒」になります。エレンケイは「私達は子どもの心に美しい糸を丁寧に織り込まねばならない。なぜならその糸が全世界を覆うことになるからだ」と記述しています。子ども達の心に触れる経験を、子ども達同士であっても多くすることができる「統合保育」はしっかりと継承していきたいと思います。
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