没頭してつくりあげるこどもの姿から感じたこと


「保育園の良さ」とは何なのでしょうか?それは、おそらく保育園や長い時間子どもを預かっている施設だけが持っていることですが、「一日を通したメリハリのある生活ができること」です。朝の10時から14時までのコアタイムだけが教育、保育とせず、ONタイムもOFFタイムも共に過ごせることです。私達がお預かりする大切な子ども達には「遊ぶ権利」もあり、「休む権利」もあり、究極的には「幸福に過ごす権利」があります。

例えば、お昼寝をしておやつを食べて、元気になり保育園だけが持つ「夕方の遊び」が日中のコアタイムの付け足しではないことで一日が完結し、満足し、家に帰ったら充実し、疲れてぐっすり眠ることができます。また、応能負担で様々な子どもが触れ合い分け隔てなく遊んでいる自由な時間がたくさんあります。

そして、その子ども達が「群れ」をなして遊びます。保育園というオアシスで牧歌的な時代を過ごします。短い「教育」時間で終わる園よりも、時間枠を気にしない長い時間の取り組みができます。大規模プロジェクトなども長い時間生活をする園が得意とすることです。午前中やっていた活動を後から出勤してきた遅番の保育者にみせて報告をしたり、併設する高齢者の施設にみせて褒めてもらえて満足気になったり、重層構造の関係性から様々なドラマが生まれるのが保育園という場所です。


ある日のことです。

ランチルームには比較的にカラフルな椅子がたくさんあるのですが、「あれ?」と目を止めるといつもアイドルごっこをして遊んでいることが多い年長の女の子が不思議な椅子に座って食事をしていました!!

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「これどうしたの?」と声をかけると「自分でつくったんだ!」と答えてくれました。早速、クラスに行ってみると女の子がつくった椅子とセットでテーブルが作っていたり、様々な木のつくりものを完成させるために黙々と自分の手よりも大きな工具を持って、たくさんの子どもがけんけんがくがく仲間と話しながら、難しいもの、大きな家具を作り上げている光景がありました。

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そこでは本来は暖炉の薪用に置いてある、ふぞろいな木片を材料にして(知らぬ間にですが・・・)
女の子が素敵な椅子を作っているのです!しかも大人が腰掛けても壊れないではありませんか!

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カナヅチとのこぎり、ねじとドライバーを使いこなし、自分で作った椅子でよろこんでご飯を食べている姿に「スキル」の育ちを感じました。
きれいな環境で、与えられた教材で製作をするのも学びですが、このようなこどもの姿にホンモノの生きる力を感じます。




「安心」と「没頭」というキーワードはベルギーのリューベン大学の教授、フェール・ラーバーズ教授の理論に基づくと最も大切なことだそうです。
なんでも園の資源を使って、没頭し、自分にとって意味のあるスキルを学ぶ・・・。「保育の質」という言葉を持ち出すまでもなく、本当に良いことだと思います。



結局、こども達は 「見てくれ」 だけいい建物なんか見向きもしていない。(してくれない。)
こども目線で動線がつくられ、こどもにとって意味のある、魅力的なしかけやアクティビティーの道具が園の内外になければそれは設計者の自己満足だ。
そもそもこども達から 「環境がいい保育園だ」とか「素敵な建物」 だなんていうことは考えてもいない。
結局、使い倒して、自分のものにしてどれだけ工夫できるかの一点に意味が残る。
そのために、こどもの様子や細かい遊び、活動をみて、園舎はつくっていかなければならないのだと考えます。





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